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なにこれ、woofer? 英辞郎曰く、「低いうなり声[音]を出す」

そうするとここでは「つぶやく」感じではなく、ぶつぶつと好きなことを延々と言えというわけですね。あまり人として充実した感じはしないが、まあ人の言うことなんて自分にとっては名言だが聴き手にとってはうなってる程度なのかもだね。

このインターフェース、なにが一番のキモかってこの文字数カウンターだよね。Twitterでは、「あと何文字書けるか」を140から減じていく方法で表示させるのに対し、Wooferでは、「あと何文字書かなければならないか」を-1400から加算していく方法でひたすら「0」になるのを目指させる。

で、どれどれ、と書き始めると、なかなか1400文字も行かない。最初はこのページの雰囲気に引っ張られて、普通にtwitterぽく書いていくわけだが、少々長く書いたところで-1241とか書かれていて、

「あはは。おまえ、そんな程度しか文字書けないのかよ。ずいぶん体力落ちたな! twitterなんぞで中途半端に情報メタボになっちまってるんじゃネーノ?(爆」と言われてる感じだ。「そりゃこのインターフェースの狭さのせいじゃないのかよ」と言ってみよう。この時点ではそう思った。

だってさ、私の場合、記事を書く場合はWordやWriteRoom(Mac用執筆ソフト)で書く。パワポでも、A3モードにする。そこには「書くべき内容をじゃんじゃん投げ込める広い面積」を確保し、遠慮無く書く。とにかく好き放題発散してもあとで俯瞰して編集し、自分のタイム感で「語りかけ」をする。広いってすばらしい。つまり、書くべきものにふさわしい広さとタイム感を持った入力先が必要だろう。

なんてのはどうかね。

「インターフェースの面積」 x 「インターフェースが強制するタイム感」=「執筆空間」

twitterは面積が狭い上に、早いスピードを強制するから、それは直感的かつ短命な情報がじゃんじゃん現れるわけだが、なぜかしら執筆エネルギーをそいでしまうため、blogなど長文を書く頻度、あるいは書いたとしてもその量、質すなわちゆとりを持って彩りのある表現を存分に駆使することに元気がでなくなる。

広い面積のRHODIAや、3Mのイーゼルパッドで、ゆったりとした時間をとり、思考のマッピングをする人を何人か知ってる。プチアイデアを落としてしまわないために急いで書くことを怠るわけではないのだが、そういう「ちょっとしたレベル」の情報単位はポストイットやRHODIA#11を使う。Evernoteはそこに位置づけられる。

すなわち、Twitterではその「ちょっとしたレベル」で人とプチ情報の交換ができる、そういうことが起きていると思えるわけなのだが、そこでは連携性のある思考マッピングには向かない。短期記憶に収納するには大きすぎるし、せかせかとした情報フローでは立体的なビジョンを書き落とせないからだ。

ここに大きな思考表現の機会損失があることは明白だ。

どうすればいいか。少なくとも、利用のシチュエーションごとにばさっと切り替えるとか。いわゆるパソコンのキーボードを使うときは、ばっさりtwitterに書かないとか。思考マッピングできる「広い面積」の出番を減じないようにし、自分のはけ口に安易にtwitterを使わないことにする。ケータイやスマートフォンはいいとしよう。老若男女とせいぜい仲良くtweetしよう。

次に、twitterでは「タイム感」を落とす。これはfollowerを減らすか、スルー力をつけるしかない。follow数が劇的に少ない人に面白い発言者が多い気がする。要するに「タイム感」を強制されていないからかもよ。

1400文字書くのも、やってみると乗ってきますな。途中で息切れしつつも、乗ってくるとこの狭いインターフェースでも結構書けてしまう。楽々1400文字をクリア。インターフェースが狭くても、タイム感がゆるやかだからかもしれない。でも、ここまでで15分もたっていない。

あら・・・。

まずい。

連載の4000文字がなぜさらっと〆切までに書けないのかと編集長Fさんに怒られてしまうではないか。

+365文字となったよ。
良いお年を。

# 本投稿は、wooferで書いたものをコピペしたものです。

土用丑の日を盛り上げる企画だろう、昨日だか一昨日だかでテレビでやってた。

リポーターは鰻関連の名店の板前さんに、「スーパーで買ううなぎのおいしい暖め方を教えてください」なんて無茶なことを質問していた。エキスパートに恥も外聞もなく質問をするのはとても良いことだ。Wisdom Access Questionは「相手を見極める」ことから始まる。

その方法を試した。土用を待てず土曜に。

すんごい旨かった。まじでやばかった。めちゃめちゃうまい。ちょっと探したが、同じ情報はWEBで文字で読めなかった。

食い道楽okdtとしては、これを再度言語化して伝搬しないことは許されまい。

まてよ、土用丑の日の食卓はもうすぐ終わるではないか。速報はtwitterで書くのが一番。虹が出てるのを教えてもらったお礼のような気持ちで、土用丑の日の食卓に伝搬すべく、140文字に収めた。

スーパーで買う鰻のうまいあたため方。水で鰻を軽く指で洗い流し、タレをとる。ペーパーで水を拭き取り、皮サイドを下にフライパンに入れる。水:酒=1:1でひたひたにし、アルミホイルを落としぶたに5分、中火でぐらぐらと煮る。ゆで汁をきり、付属のタレを加え「身」の側を下に返し、1分加熱。

http://twitter.com/okdt/statuses/2720425339

タレを洗い流しちゃうところが勇気がいるが、それこそ旨さの秘密そのものである。

お試しあれ。明日も鰻は売ってるから。

某サイトで見かけてコメントしたこの記事「本当に転職に有利なのか? 日本の社会人大学院事情」。

あらあら、タイトルに「本当に」とかつけると、「そうでない例」に着目するわけだから、その路線で終えちゃうと、そこはかとなく浅い。タイトルと結論だけで、あからさまなバイアスが見えておしまい。中身は案の定、タイトルの「転職に有利なのかどうか」という問題にすら根拠(複数の客観的事実、あるいは論証済みのものが「根拠」の最低条件とすると)がない単なる意見の羅列。肝心の、就職状況における需要側の欲しいスキルセットと訓練の中身のマッチングには残念ながら切り込んでおらず、筆者のイメージとお仲間の世界。

So what? だからどうなの、という部分は読者が考えろというメッセージなのかな。

どうせ不況産業なんだからさー、そんなに浅い意見ならスルーしとけばって感じ。あるいは、タイトルが「本当に」はじまりで、結論が「本当だった!」なんてオチの記事だったらむしろ話題として面白いのに・・・。

専門資格が転職に有利かどうかという問いかけだけど。

「有利」って何をもって言うのかな。就業をかけた全体的な競争力、ではないでしょう。年俸?職責? 全体的就職難の中、資格が守備範囲を拡げるって意味でもないよね。

受け入れ側の募集に資格が明示されているとしましょう。薬剤師にしても医者にしてもネットワークスペシャリストにしてもPh.Dにしてもlawyerにしてもmbaにしても。それぞれの資格は就ける職種をむしろ狭めてしまう。さらに、そこでその資格ホルダー同士での取捨選択になる。それぞれにさらに熾烈な競争ができちゃうわけ。

そこが、資格など、足の裏の米粒だと言われるゆえんでしょうよ。つまりは、そのフィールドでの戦いがあることを度外視して、ラベルのために資格とってもしょうがないじゃん?ということ。

ここで間違えてはいけないのは、専門教育や訓練に、職業人として意味があるのかどうかとは別問題だということ。

たとえば、社会人大学なり大学院は、経験ありきで職能を伸ばす枠組みだろう。なにがしかの職業で専門をやると決めるんなら、成り行きの現場でのたたき上げに依存するより、どっか行ってちゃんと訓練するほうが確実に早い。ネットワーク効果も度外視できない。

だから、会社の研修だろうが、企業派遣の大学院だろうが、自腹で突撃だろうが、訓練の結果のラベルではなく訓練プロセスに注目してやれるやつにとっては、そういうものを「梃」にして、何倍も成長する確率を上げられる。

そういう行動特性が異なる人材に、進歩や変化のスピードへの取り組み方の違いがあると考えるのは、はずしてはいない。あとは、需要サイドにマッチするかどうかの問題で、それは転職競争力とは関係ない。

いずれにしても、訓練なんてそれぞれの個人の好みと直観に大きく依存する相対的な価値で、ゆえに「王道」を定義する必要すらない。

進歩と変化に関心があるんなら、やりたいことをやりきるために、現実的な手段を選択してがっと行けばいいのだ。

この元記事の山崎元氏がご自慢の人脈からの情報で評論されるんなら、どういう人に、どういう訓練必要で、それがどういう社会や企業のニーズに合うのか、見逃されてるのはどういうものなのか、なんてところをばしっと切り込んでいただきたいものだ。

# disってなんぼなのでしょうけども ;-p

年始から様々な出来事で振り回され兼ねない感があったのだが、はっとさせられる文章に出会った。ある保健教諭が書いたものだ。

・・・
保健とも教育とも全く関係のない本だが、・・・辰巳芳子さんの『あなたのために―いのちを支えるスープ』(文化出版局)である。

 実は料理の本で、題名を見て分かるとおり、様々なスープの作り方が載っている。もちろん、今晩のメニューの参考にすることもあるのだが、あまりに丁寧すぎる工程なため、慌しい毎日を過ごす私にとっては、あまり実用的意味はなく、むしろ、心を落ち着かせるための本と言ってもいい。

 ひとつひとつの材料を丁寧に扱い、ゆっくりと呼吸を合わせ、火と対峙し、なでるようにいとおしむようにスープを作っていく。そんなふうな気持ちで、私も毎日の生活を送っていきたい、と、この本を開くたびに思うのだ。特に大切にしている一節を書き出してみる。

愛につられ、無心に、
  よくなるように、よくなるようにと、
鍋中を見守る。
いつしか天は、用意のある人をつくり、
いざの時、必ず、手を差しのべる。

 保健室はなにもなくて当たり前。だからこそ、『用意のある人』でありたい、と、思っている。
edu.log :: 見てみよう!学校 – 新着学校情報

すばらしい。恐れ入りました。

エモーションとロジックが見事にマッチする情景を見させてもらった。心に促され、論理的に行動する。それは循環することがある。

だから、人は、起きている事象について情報を得ると、それが仮に自分のことでなくても、ときに一喜一憂し、ときにあれやこれやと言い、そして介入したりする。他方、そこから少し離れたところで見る立ち位置の心境は「ひとごと」と冷ややかに映るものだ。さもありなん、人のことにかまけているほど、楽ではないし暇ではないのだから。

しかし、どちらでもない人がいることを知ると救われる。

かつてレストランの厨房でバイトしていたことのある私は、そこで料理の基礎を学んだ。家族に、友人に作るときほど「おいしくなーれ、おいしくなーれ」と声をかけながらスープを作る心境は理解できるつもりだ。仕込みに時間がかかるのを承知で、タイミングを見計らい、たとえば少し火を弱め、たとえば少しの塩を入れる。

そう、腹のくくれた人の行動って、そういうことなんだよね。

少し長めの尺で動くメンタルを大切にしてみようか。

http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=okdt-22&o=9&p=8&l=as1&asins=4579208250&md=1X69VDGQCMF7Z30FM082&fc1=000000&IS1=1&lt1=_blank&m=amazon&lc1=0000FF&bc1=FFFFFF&bg1=FFFFFF&f=ifr

http://jp.techcrunch.com/archives/20080725dr-randy-pausch-carnegie-mellon-cs-professor-dead-at-47/
より、
Last Lecture – 「最後の授業」で知られるランディー・パウシュ教授(カーネギーメロン)がとうとう亡くなったとのこと。大前さんもこの人の話をあるコーナーで一番に取り上げていた。

まだ知らなかったら、本読むより動画で授業を見た方がいい。全編バージョンもいろんなサイトで公開されているし、「最後の授業」とか「Last Lecture」で検索すればざくざく見つかる。日本語のキャプションが入ったものもあるようだ。(初めて見たときは無かったけど。)

さて、テーマを絞った話だとしても、今からやるステージが、「最後」だったら、自分は何を伝えたいのか、なんて考えてみたらどんなところが変わるのだろう?

彼の、悲壮感のない、それでいてメッセージ性のとても強いその「Lecture」は、その内容はさることながら、「Last」に向き合う人としての姿勢をLectureするものだと感じた。

後に、Randy PaucheのLast Lectureは私になにか大きなものを残してくれたと言えるようでありたい。

やんなきゃいけないタスクをキャッチアップすることに、いちいち時間を使うのはもったいない。

実は、M1をなりゆきで過ごしたツケを年度末にほうほうの体で消化し、やっとのことでM2に上がれたのですが、卒論を含むタフなM2の一年は、昨年よりも全体像を把握して組織的に物事をこなしつつ、学びの濃度を高めたいものです。

整理すべき対象は多次元的です。クラスごとに異なる受講パターン、論文提出、輪読会、週次タスク(realtime online case studyなど)、あと英語のトレーニングも・・・。これらの煩雑なスケジュール管理やタスク管理は粛々とオン・スケジュールでやりたい。でも、それぞれのタスクは難易度も様々だし関心も違うから、プライオリティもさくさくつけたい。

ツールとしては、ミルクの時間も忘れないというほどの簡単さが売りのRemember the milk、田口さんのところの目標管理ツールのchekpadは普段から使っているのですが、上記のように多次元性の高いもののタスクの立て方にはどうにもしっくり来ない。

学生の、かつMacユーザの皆さん、朗報です(w)。

Mac用のソフトで、Schoolhouse 2というツールを見つけました。これは以前からあるTask Listというソフト(これはバグだらけでとても悲しいツールでした)の後継のようです。(不完全ながらも、Task Listからのデータのimportにも対応しています)

Schoolhouse 2をLeopardで使う人には重要なTIPSがひとつ。このアプリケーションは、現状では「Rosettaを使って開く」という設定がMUSTです。Finderでこのアプリを表示→プレビューから「詳しい情報を表示」→「Rosettaを使って開く」のチェックボックスをONにしておくことです。(この情報はi use thisで見つけました) これで動作が安定し、一部存在した不可解なフリーズがなくなりました。

「人生勉強」と割り切れば、これは仕事の整理ツールにも使えるかもですよ。

・・・おっと、最近、ライフハックでは仕事にならない、と思ってるんだった・・・

この話はまた近いうちに。

紅白の司会に抜擢された笑福亭鶴瓶師匠曰く
「私よりね、もっと年上の先輩方が喜んでくれましたよ。よかったなぁ、って。」

事象の価値判断というのは相対的なものだ。面白いのは、成果を出した人でさえ、直接その成果の価値を理解するのが難しいことがあることだ。そこで、「客観」とは良く言ったもので、オーディエンスがバリュードライバーになるわけだ。その役割たるや計り知れない。

本人の価値判断が甘いのはなぜだろう。紅白司会者の大抜擢であれ、ソフトウェア開発成果であれ、事業業績であれ、とにかくなにがしかを形にしたとき、まさに当事者であるゆえに、本人はいわばゴールラインで息切れしてぜえぜえいってて、疲れてるわけ。

しかし、その状態の価値については、客観判断のほうが明確。それゆえに本人にしてみれば、自分にはあまり実感がなく、むしろ周りのほうが喜んでくれているように見えるんだなあ。

みんなの笑顔は案外楽しい。

一方、喜んでくれる人たちは応援こそすれ、自分で価値を産み出したわけではない。実のところはそれぞれの思惑にしたがって喜んでおり、温度もさまざま。

それでも、両方が合わさると、つまりポジティブフィードバックが本人に伝わるとはじめて価値が見えやすくなる。客観情報はまとまって集合知として理解すると強いフィードバックになる。「こんなに」「周りが」喜んでくれるんなら、やってよかった、また次も行っちゃうか、とモティベートされる。

そうだからと言って、当事者のモチベーションが常に外部にあるわけではないよね。誰か他の人のためにやっているというのとは、またちょっとニュアンスが違うよね。思うに、それは喜ぶ顔を見たい自分のためだろう。価値が形になって見えやすくなるプロセスがたまらないわけだ。

そうか、それこそがfighter on railsか。

そうしてまた、群衆として叡智を創出してしまうのか。

Skypeに国際SMSを発信する機能があるんだが、こんなもの何に使うんだ?まじまじと考えると、あら、便利じゃない?という話。

「ツール」メニューの「SMSメッセージの送信」で送信先を指定するウィンドウが開く。
選択肢には、リアルな電話番号が登録されているコンタクトが一覧で出ているようだ。

そこで、普通に、「090-….」と電話番号を入力し、[追加]をクリックして[OK]クリック。

次にメッセージをぱちぱちと入力できる。逐一、「あと何文字」と出るのでわかりやすい。

送信側は一通およそ7.5円だそうな。通常は国内使用だからあまり気にしないかもしれないが、国際SMSでも同じ価格、となるとドコモで50円、Softbankで100円することを考えると激安だ。しかも、いずれにしても受信側は無料だから人に優しい。(←ここ重要)

私にはケイタイより打ちやすい。また、送信先は画面の許す限り複数指定できるのも魅力。しかも、受信ステータスがとれる

受信側ケイタイの電源を切ってテストしてみたところ、相手が受信してはじめて「保留」から「送信済」に変わったようだ。このSMS、利便性には陰があり、電話番号による乱れ打ちをしてくるスパムの対策のため、SMS機能をオフにしている人も多いようだ。このステータス表示はとっても意味があるよね。

会議や食事のリマインドや、オフィスからの伝言、そうだ海外出張中の連絡なんかにも便利そうだ。

ああ、またSMTP頼みのE-mailを使わない理由が増えてしまった。

昨日夕刻、親不知を抜きました。しかも左下!私には大問題。抜くのはたった一本の歯ですが、乱立する歯科の中から卓抜した歯科を一件、いかにうまく発見し、最高の施術を受け、術後の腫れもたいしたことないという満足感を得たかというところです。

そこで今回こだわったのは、Wisdom of Crowds[群衆の英知|叡智]。短くまとめるほど難しく聞こえる言葉なのですが、私なりに分解しますと「ばらばらで、十分の数の集団の意見を集約すると、一部の専門家が判断するより正解率の高い、実際の結果を出す力がある。それは「群衆」が一体として「知恵」を持っているように見える」という現象を指す言葉です。これをWoC(ウォック)と省略することにします。

これにより、WoCを集約できる仕組みがあれば、事前に相当正確な予測ができる分野があるはずだとの実験が重ねられてきました。欧米で立ち上がっている「予測市場(Prediction Market)」サイトでは、大統領選挙の得票率、部門別のアカデミー賞受賞者、映画の興行収入、フットボールの優勝チームなどをかなり事前に予測できることが実証されています。

こういう話が大好きだと思われる梅田望夫氏は、自身のblogや、著作「Web進化論」で言及しています。本年のキートピックと思われる言葉だと思います。

※ 詳しくは、「みんなの意見は案外正しい」というひどい邦題をつけられた書籍(原題「Wisdom of Crowd」ジェームズ・スロウィッキー著)をご一読。面白いよ。

さてさて、今回の抜歯の話に戻りましょう。WoCを斜に見てプロセスを楽しんでみました。

私の住まいの周辺は歯科が乱立しています。ここで生まれ育ったわけではないので、馴染みの医者もありません。Yahoo電話帳によると、歯科は東京都に1万件以上、中央区に絞ってもおよそ500件。Googleのランキングが機能する業界だとも思えないし、blogを集約しても結論は出ないでしょう。悩ましい・・・。ネットの力の限界を超えたニーズは、こういうリアルの世界にまだまだありますね。

そんな折、2,3ヶ月前のこと、たまたまとおりすがりの本屋で「患者が決めた!いい病院 関東圏」を見つけました。30万人アンケートをoriconが書籍化したんだそうな。そうか、oriconって昔からWoCビジネスをしてきたんだなあ、などと思いつつ購入。

書籍はコレ
http://www.amazon.co.jp/okdt-22/dp/4871310787/

WEB版 (でも本のほうが見やすい)
http://isha.oricon.co.jp/rank/index.php

この本では、歯科の項目で東京都中央区の歯科はわずか2件。いいね!ぐっと絞れましたよ!127位に見つけた「鈴木歯科クリニック」に決めました。なぜか?127位だなんて、とおっしゃるかもしれないが、この母数から関東圏で127位はすごいでしょう、という理由だけではありません。

二件中一件は聖路加オフィスタワーの一階にある歯科。鈴木歯科より若干上位です。ここはタワーに入居しているオフィス人口からして得票のしやすさはある。いや、腕が悪いというのはないだろうけど、予約が取れないと書いてあることからして、オフィスタワーの立地環境によるロックイン、あるいは「わりと良い」レベルでのネットワーク効果が集中的に起きている可能性があると見ました。

一方、鈴木歯科は確かにオフィス街にあるとはいえ、八丁堀のこの界隈は他に歯科が数件あり、人の往来も多い。人口、競争ともに十分エントロピーが高い環境で堂々ランクインという結果は、オープン性の土俵での実力勝利だと思われる。WoC(Wisdom of Crowds)[群衆の英知]が効いた「それなりのわけ」があると考えられると見ました。

難しく考えすぎ?(w

とりあえず、3週間くらい前に初診。ファーストインプレッションから大変好感触。丁寧で、解説も明快。先生の人柄、歯科衛生士のスタッフも好感が持てる(要するに・・・いや、これくらいにしておこう)。

またぐっとくるところは、この医者、WEBがわかっているね。たとえば、ユーザにとっての利便性というところでは、メールで相談を投げてみるとあっさり返信が帰ってきて、最初の予約までとってもスムース。派手さはないが、基本的なネットのオペレーションがきっちり。わかってる!

鈴木歯科クリニック
http://www.suzudc.com/

さて、やっと左下親不知抜歯の話です。

下の親不知を抜くのは二回目。術後が腫れますよね。抜歯の日程は、インドネシア出張、沖縄合宿と、次の会議ラッシュの間で決めました。ベストな日程のはずだったのだけど、そんなものは、いざ抜歯するとなると関係ないね。「もう痛くないし、逃げちゃおうか」と思ったけど、心の中でじたばたしながら行きましたよ、昨日。先生には、開口一番、「いやはや、本日はぶっちしちゃおうかと思ったんですが来ました」と意味のないボケをかましてみたり。

全体レントゲンは以前採っていたのだが、今回は施術前にピンポイントのレントゲンを再度撮りなおし、準備万端で。スタッフの1時間くらいかけて抜歯完了。

その間のことも書いておこう。

「ダイジョウブデスカー」コールはまるでバリ島のマッサージのお姉さんのような癒し系コール。こちらは口が完全に拘束されているため「ハーイ」って言えないんで手のひらをひらひらさせたりOKを作ったりするんだけど、そのフィードバックを「ダイジョウブデスネー」って復唱してくれるんだよね。

ちくっと痛くなる直前のタイミングで「ゴメンナサイ!」。そうそう、麻酔の注射が入った瞬間、電子音で音楽がなるんだよ。あれはびっくりした。そっちに注意が行っちゃうもの。気持ちよいタオルで目隠しされてたんで正確にはわかんないんだけど、どうもガンタイプになっているようで、麻酔薬を注入している間鳴っているようだ。医者にも患者にも便利なアイデアだね。

「鼻で息をしてくださいねー」など絶妙のタイミングのアドバイス、そして適度な休憩。最後は「抜けましたよー」「抜けました抜けました」って二人して。ええ?「大きな男の子デスヨー」みたいなくらいの感じ?(笑

小一時間ぐりぐりやられながら、うまいなーと思いました。

こういう個別のサービスは全体として満足をもたらすものなので、こんな細かい記述は、クチコミをするにもめんどくさすぎるだろうね。でも、この歯科は現時点で東京都中央区で一番満足をもたらしてくれるはずだ。なぜって?だってサービス分析の専門家のオレが言ってるんだから。

それが信用できないから群衆の英知なんだよね(笑

WoCサイコウ!

最近、メールはとにかく一切合切GMailで受け取るようになった。リアルの主なメールはGMailに転送しているし、さらに気が付く限り、ネットのサービスの「メールアドレス」欄をGMailのメールアドレスに変更した。すると、数々のニュース、メールマガジンなど、以前から購読しているものも含め、すべてGMailに集約される。

そういう環境の基本機能として、SPAM判別機能、Report SPAM機能は大変便利だ。SPAM判別情報が他のユーザとシェアされているかどうかわからないが、そこそこ学習してくれているようだ。体感的には、POPFileより少し落ちる程度の精度だ。購読申込した覚えのあるメールニュースと、メールニュース仕立てのSPAMを正確に判別してくれる。

しかし、業務メールと違い、これらメールニュースは溜まっていく一方では役に立たない。後者の賞味期限は短いのだ。そう、昔は、インターネット上に情報が十分ではなく、有料のメールニュース(?Watchなど)を溜め込んでおいて、それを検索することでリサーチに役に立ったこともある。しかし今は、Ask Google!で済むから個人が溜め込んでおく意味合いは低い。

当初、newsというラベルを作ってフィルターでラベリングしてみた。それでも、読まないメールはどんどん溜まる。news(256)のように、未読数カウントがみるみる増えていく。不思議と、未読数は多くなればなるほど見たくなくなる。読んだことにして消すのもかなり大変。

そこで、sakurayuta師匠曰く、「メルマガ系は、フィルターでTrash(ゴミ箱)に放り込んでしまえ」、というものだ。どんな効能があるのだろうか。

・Trashフォルダへのリンクの横には未読数の表示はない。
・30日で自動消去がすばらしい。無限に溜まっていくということはないからね。
・検索の対象だ!30日以内のニュースだけならピックアップ価値も低くないねー。
・SPAMとはごっちゃにはなっていないので、フォルダを開いたときの汚れ感も低い。
・GMail Notifier、Google Desktop2を入れていても、Skip inboxしていれば何も表示しない。
・デフォルトで捨てる、任意で見る、というのはいかにもポジティブセキュリティ風味だ。
・「リアルでゴミ箱の新聞を読む習性(sakurayuta氏談)」なんてシュール感もある。

ふふーん、スバラシイ。超整理法的だ。(コーヒーをずずっと

気が向いたときに、Trashをおもむろに見る。見たくなったものだけ見ればいいから、悪くない。毎日何通も来るのはわかっているが、仕事をトラップされないというのはむしろ快適だ。inboxに戻れば、現実の世界にすぐに戻ってこれる。

GMailで言うところの「ラベル」の属性として、expire指定ができればいいのにな。確かにソフトウエア原理的に削除系はリスキーだが、それでも、メーラーのフォルダの属性、フィルタの属性などにexpire機能があるといいなあ。是非メーラーに実装してほしい。メール単体に実装する、でもいいけどね。「このメールは自動的に消滅する・・・」みたいな(w

そうそう、OSのファイルシステムにもそういう機能があればいいんだ。いやまてよ、そんな機能はこれまた悪用しがいがありそうだ・・・それに悪意のあるコードにもさくっと実装されそう・・・それに、コンプライアンス的にはSOX法と真逆の論理じゃないか・・・。悩ましい。

でも、それでも、Keep it simple and special.古い、使わないものは捨てるに限る。超整理法的機能なのだから、ぜひ実装してもらいたい。あれ、捨てるんならTrashでいいのか・・・。

てわけで、これ、すなわち「GMail Trashメソッド」と命名。