THE PIANIST(邦題:戦場のピアニスト)を観る機会があった。まだ公開中なので印象を述べるにとどめるが、ずばり、この映画は良くできている。ナチス-ユダヤ関連の時代をありがちな勧善懲悪という構図をとらずに描いているという部分など、「シンドラーのリスト」に次ぐ出来だと思う。
まず、映画そのものの質としては、さりげないが結構大規模な見せ場がある。廃墟になったワルシャワの図などは圧巻。まあ、ゲットーに押し込められる総勢50万人ともいわれる規模の群集の様子が、せいぜい500人程度で演出されていたのは今ひとつだったかもしれないが。まあ、目線的に徹していたのだろう。そういえば自分の潜むアパートが砲撃をくらったときの耳鳴りの感じは、とてもよく演出されていたからね。
あとは、やはりピアノ。この役者が特訓の末、代役なしで曲を弾ききっているらしい。隠れ家にいるときのせつないひと時などは気持ちがわかるので涙モノだった。また、将軍に聞かせるピアノの弾きこなしもかなり大したもので、死線を前にすばらしい迫力だった。このシーンでこれだけ弾けたら、殺されても本望という感じ。
人が人として機能していない状態を見ると、日常がいかにありがたいものか。これがほんの60年前の出来事で、しかも2000年までこのピアニストが生きていたという事実は、今後もstupidなことが続発する可能性が予想以上に高いことを意味していないだろうか。ykは「こわい映画やった〜」と言っていたが、ギャングオブニューヨークほどえげつなくはなかったという。
THE PIANISTオフィシャルサイト
Yahoo! Movie