OSSとイノベーション2007

本年、2007年は、「OSSとイノベーション」というタイトルで、壇上に上がらせていただく機会が2回あった。いや、むしろ、オープンソースソフトウェアとイノベーションの関係をはっきり語るよう、あえて自分にその命題を課したと言っていい。おかげでいろんな勉強ができた。そして最後となる1回は今週金曜日、秋田県秋田市で登壇することになっている。

最初のものは、4月に大井町で開催された、日本技術士会の有志で開催されているIT21の会。ここには、レガシーな技術を大切にしてきた大勢のベテランと、今後のITの変革をどう捉えるかに関心の高い若い人がおられた。大勢の受講者から、目からうろこが落ちたとの感想をメールでいただいた。驚くほど高年齢の方々が多い会の中で、メールをくださった方々は、おしなべて若手で、アグレッシブでハングリーだった。もっと別の世界に目を向け、そこに自分の身を投じるべきだ、とのメッセージを述べた。それだけでそこに行って良かったと思った。

次は、6月に開催された、UNISYS BITS2007でのパネルディスカッション。筋書きとしては4月のものを踏襲し、さらにパネラーの猛者ぶりを発揮していただくシナリオで進めた。レポートも掲載されている。あえて説明すると、これは例年開催されてきた、オープンソース/Linux関連のパネルディスカッションの延長に位置づけられるもので、UNIADEX社の皆様にはおなじみのもの(ネタ?)としてご愛顧いただいている。

UNIADEX松隈さんとはかれこれ7年はこのライブをやってきた。人が変わり、会社が変わり、ビジネスモデルが変わり、市場規模も変わった。そのひとこまひとこまを毎年キャッチアップしてきたこのライブが、UNISYS BITSの大舞台のトリで開催されたのは大変意義深いことだ。高くかってくださった皆様に感謝申し上げたい。

もちろん、技術革新はかっこいいことばかりじゃない。高給が降って沸くものでもない。むしろ普通に痛みが伴う折衝の連続であり、デスバレイ(death valley)もある。それがわかっていてもそこにチャレンジを傾ける猛者がそこにいたわけで、ゲストとして生の声を発してくれた。こういう姿を見ることで、技術屋やってて良かったと思うものだね。

さて、最後に、今週、秋田県に出かけることになっている。秋田県は、私にとっては、これまで接点があった県ではない。とても寒いところだろう。しかも調べるに県の経済情勢は良いほうとは言えない。10年連続で自殺率1位。比内鶏関連での問題もあったが、おりしも2007年を表す漢字は「偽」に決まったそうだ・・・。子供たちが殺された事件の裁判もあったことが今日報道されていた。もちろん、経済指標関連の統計資料を見ても、他県に比べてITが活発とは言えない。正直、関西人泣かせの話題ばかりだ。

しかし、しかしだ。そこで、なんとかがんばってイノベーションを起こそうとしている人たちがいることは確かなのだと思う。あきた企業活性化センターは大勢の起業家を育成しようとがんばっているし、秋田市のチャレンジオフィスあきたのこのページにも、地場産業としっかり組んでがんばろうという強い息吹を感じる。NPO法人あきたITこまちは、現場で働く多くの女性たちに驚くほど的確な情報提供を行なっている。当日も来てくださるそうだ。本年度、秋田県はOSS実証実験に参加し、県の情報システムにOSS運用基盤を採用することによって、ベンダーニュートラルな管理基盤を据えようとがんばっている。

マイクロソフトはベンチャー育成プログラムに秋田を含めている。えらいな。脱帽だ。いずれにしても、難しい状況で奮闘しておられる方々に、私はなんと言えば良いのだろう?私と秋田県の皆さんとの明確な違い、それは、おそらく、視点だ。ここからはこんなものが見えます、という視点を紹介できればと思う。そして、私が学ぶつもりで多くの質問を投げかけてみたいと思う。

変化しようと思う人が変わるチャンスを得られ、それゆえに集団が変化するチャンスを得られ、そして文化が醸成されていく。ソフトウェア技術を身につけながら組織の枠組みを越えたコラボレーション文化を理解するためには、OSSはもってこいだ。仕事を取ってくる人間は、情報の伝達とコラボレーション(Web2.0、UGC)をキーワードに情報と技術の新しい流れに注目させて取ってくればいい。資金的脆弱性でさえ、イノベーションのトリガーになることは珍しいことではない。また、OSSを使う仕事でない人でさえ、コラボレーションを軸としたそのコンセプトから得られるものがある。

雪国でアツくがんばっている人に会いに行ける、師走の金曜日を楽しみにしている。

あきた企業活性化センター
OSS活用促進セミナー「進化するOSSのもたらす影響」

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